小松の空 〜小松飛行場物語〜


石川県 小松市

小松基地を舞台にした小説 『イーグルネスト』

JASDF Komatsu Air Base.


日本三名山の白山と小松基地 第306飛行隊のF-15J
※ 加賀白山は『日本百名山』の著者、深田久弥の地元の山であり1300年の歴史のある白山信仰の山でもあります。
ちなみに、小松基地近郊の有名人といえば、松井秀喜、ダンディ坂野、「日本沈没」の谷甲州氏は市内在住です。

最終更新日:2015/01/09




第306飛行隊、30周年記念碑
この小説の主人公、坂上陸が配属された部隊で、黄金のイヌワシが目印。

空自小説『イーグルネスト』の舞台となっている小松市と小松基地の紹介です。
石川県小松市の航空自衛隊小松基地を舞台にした青春ドラマです

小説の活字だけの描写に、小松のイメージが沸かない人のために、こちらで
小松市や小松基地のイメージを紹介し物語をより熱く感じてもらえればと思います。

歴史小説や山岳小説と同じで、活字だけだとスケール感が沸かないこともあるので、
実際の写真や映像で現実世界のイメージを描きながら、登場人物の顔もお気に入りの俳優などに
置き換えてイメージして読むと物語にスッと入っていけると思います。


※ネタバレになるようなことは掲載しません。


『イーグルネスト』
小森陽一

この空は俺たちの手で護る!
 石川県小松基地に着隊したF‐15操縦士の と、埼玉県入間基地で要撃管制官となった。二 人のもとに届いたのは、全国のパイロットが一堂 に会して技術を競う“戦技競技会”開催の知らせだ った──。仮想敵には、かつて陸と火花を散らし た先輩、浜名零児。一度は袂を分かった陸と速だ ったが、それぞれの信念を貫くため、力を合わせ て空へ向かう。「天神」シリーズ第3弾。

映像化プロジェクトついに始動!!空に憧れ、戦闘機パイロットを めざす若者を描く『天神』シリーズ三部作「天神」「音速の鷲」 「イーグルネスト」
「海猿」「S-最後の警官-」の著者最新作!
集英社文庫定価:600円+税


『イーグルネスト』小森 陽一 :集英社文庫 2014/12/06発売
 クライマックスの小松306飛行隊とアグレッサーの戦技大会の描写がイメージでき ない方もいると思い写真で再現してみました。
写真と簡単な台詞だけで雰囲気を味わえればと思います。
最終更新日:2015/01/09


小松空港とは俗称で、「小松飛行場」が正しい名称。
つまり、小松基地の滑走路を民間機が借りている、というのが正しい。

第306飛行隊
通称:ゴールデン・イーグル
部隊マークは石川県の県鳥、白山のイヌワ シ。 「勇猛果敢な攻撃精神と、電光石火の運 動性」を表わしている


第306飛行隊記念碑
(小松基地内)
これは小松基地の第306飛行隊のF-4EJファントムがF-15に機種切替となったときのモニュメントの碑文。
1980年代前半、つまり第306飛行隊の連続優勝記録が続く時期は、冷戦下のスクランブルが激しかった時代でもあります。

最近、中国軍が海上自衛艦にロックオンをしていることが発覚して大騒ぎになりましたが、空自でも過去にそんな
事例が合ったのかは分かりません。


小松には第303飛行隊もありますので、F15が約40機ぐらいあります。

第303飛行隊
通称:ファイティング・ドラゴン 
部隊マークは「ドラゴン」 。「平和と安全を守る 意気」を表現している

天神3
『イーグルネスト』

プロローグ

 小松基地に近づくにつれて次第に雲が広がってきた。それもただの雲じゃない。分厚くて鉛色をした重たい雲だ。坂上 陸は複座型のF-15DJ、通称イーグルの後席に座り、シューッと風を切る音に身体を浸しながら、ますます厚みを増して いく雲を眺めていた。前席に座った大松雅則2佐が東京コントロールと連絡を取り合い、小松上空の詳しい気象情報をや り取りしている。その中に雷雲という言葉が何度か出てきた。



※小説の主人公である坂上陸が初めて小松に降り立ったのは、F-15DJ(複座型二人乗り)=上の写真
※F-15Jは一人乗り

「アルタイル01、小松タワー。クリアード・トゥ・ラン」
「ラジャー」
 大松が着陸申請を出した。
 機体を右へ傾け滑走路へと正対させていく。「ガコン」とお尻の下で音がした。脚が出たのだ。滑走路がぼんやりとだが 正面に見える。ぐっと操縦桿が押し込まれた。民航機ではあり得ないくらいの荒っぽさで、イーグルはぶつかるように濡れ た路面に着陸した。





小松空港の3階展望デッキの頭上で毎日、コンバットブレイクしています。
戦闘機が着陸するときはこうやって急旋回して降りていきます。
キィーーーーーーーンという甲高い音が聞こえる。



2014年の夏には、自衛隊60周年塗装機が見られました。

陸の所属している第306飛行隊格納庫と、菜緒が曹長を務める小松救難隊のUH-60J















小松基地 第306飛行隊
登場人物

主人公:坂上 陸   (23歳)
・・・サード
  隊長:大松 雅則  (46歳)
・・・ビッグ
飛行班長:檜垣 裕三 (47歳)
・・・ベアー
       小木野 喬 (31歳)
・・・バッカス
       甲本 潤一 (31歳)
・・・ホッパー
山本 和巳 (24歳)
・・・ゴブリン



小松空港RW06より夕刻の飛行訓練
滑走路は風向きによって飛び立つ方向が変わります。
小松空港は北風が強いとRW06から風上に向かって離陸していきます。(冬季に多い)
南風が強い時はRW24から離陸していきます。(夏に多い)


ハイレート・クライム(急上昇)に向けて、アフターバーナー全開で離陸。(RW06)
スカイパークこまつ翼にて撮影





航空自衛隊最強軍団の“アグレッサー”(飛行教導隊)
垂直尾翼に描かれたコブラのデザインと、部隊マークのドクロがいかにも悪役!!




このコブラのマークが“アグレッサー”の目印。



アーミングエリア(滑走路入り口にある駐機場)で最終確認をして飛び立ちます。


空自唯一の迷彩塗装機がアグレッサーです。




「空は死に場所だ!」浜名零児の愛機「マダラ3号」が離陸中。







C-1輸送機
体験搭乗飛行で乗ったことのある人の話では、ほとんど窓がないので外の景色を楽しむのは難しいようです。





陸が菜緒と一緒にレンタカーを借りた小松駅前


アクチュアル(スクランブル)

陸の目はまだ計器パネルの上だ。
「遅ぇんだよ。それともトイレで待ってるか。え、坂上」
−えっ、坂上。
突然、バッカスの挑発と浜名の顔が重なった。
(本文P.165より抜粋)


RW06から見た小松空港滑走路
小松空港は小松基地の管制により24時間離着陸が可能。
(※小松市との取り決めで原則朝7時〜夜10時までのみ使用できる)
つまり、いつでもスクランブルができる、そしてパイロットが安心して着陸できる空港。
日本海でトラブッた外国機が緊急着陸してくることもあります。




小松救難隊も24時間体制でスクランブルをしています。
小松救難隊を描いた映画やアニメもありました。 『よみがえる空 -RESCUE WINGS』






雪のちらつく空から降りてきた小松基地F-15
地面の雪で光が反射してお腹が明るく見えます。
(城南町のうつのみや書店付近。)















夜の小松基地
小松基地の周囲は田んぼで囲まれています。
元々は今江潟という広大な湖だったところを干拓して田んぼにしたからです。
干拓せずに湖のままだったなら景観は今よりずっと良かったはず。残念。




城南町交差点。
ここで信号待ちをしていると民間機やF15が目の前を下りていきます。



小説では小松インターから富山県の小矢部インターまでレンタカーで走ります。
そこから国道8号線で小松まで戻ってくるということですが、もったいない。
小松市民の感覚だと、金沢で深夜まで営業している第七ギョーザか岩本屋ラーメンに寄って帰るかもしれません。





小説では「粟津」という地名が出てきます。
実際に小松基地関係者が多く住む賃貸アパートやマンションが粟津駅近くにあるので、
小松駅前でなくて粟津駅周辺に行きつけの店があると思われます。

小松駅の次は粟津駅で、粟津には建設機械大手の「コマツ粟津工場」があり企業城下町を形成しています。
コマツは小松市が創業の地であり、太平洋戦争中から砲弾を作るなど軍事産業にも携わる企業で、
現在も自衛隊の装甲車などを生産しています。
小松基地で使われている重機や装甲車を見るとコマツ製です。

コマツ製の装甲車


小松市粟津駅周辺


粟津の割烹・寿司 大西


24時間ファミレスがあるので食うに困りません。

粟津の割烹・寿司 直又


田舎とはいえ、粟津にはマクドナルドがあります。



小松駅周辺

ブニヤ・デ・モカ
小松駅前の老舗洋食店。


APAホテルは小松市が発祥の地です。

小松駅前飲食店



町屋のスナック「月光亭」




小松市は人口が11万人ほどの基地と工場関係の労働者の多い街なので、夜遅くまで出歩くという人はあまりいない。
都会のような喧騒はなく、普段は質素な生活で持ち家で子育てをする、こじんまりとした地方都市といったところです。

日常の移動手段はマイカーなので、休日は金沢まで出かける人は多いし、金沢の大学や高校まで通う学生、
金沢の官公庁や大手企業に勤める人もたくさんいます。

映画などの娯楽やブランド品などの買い物は金沢で済ませるので、小松市の賑わいというのはあまりないのかも。





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