小松の空 〜小松飛行場物語〜


石川県 小松市

小松基地からの爆音がよく聞こえる町について調べてみた。



※地図は『小松空港の概要』小松空港協議会 より転載し、地名表記をしてあります。

黄色〜ピンク色のエリアはもはや騒音でなく、『爆音』と呼ぶべき。
携帯電話で会話が全くできない。
入間基地しか見たことないような人には小松飛行場の爆音は想像不可能、無理、と断言できます。
F-15よりF-4ファントムの方がめまいがするほど爆音がひどかった。

ちなみに、小松飛行場に離着陸するのは、
民間機、外国機、航空自衛隊機、防災ヘリ、民間ヘリ、多彩です。
小松基地はミサイル講習会場なので、他基地からの戦闘機もやってくることがあり、
小松基地所属機以外に、F-2やF-15、F-4ファントムが10日間ほど飛んだり、
日米共同訓練や、日常ではスクランブルの昼夜問わずの爆音もあります。
「騒音」というよりも「爆音の百貨店こまつ」と揶揄したくもなります。
毎年、色んな戦闘機の音の聞き比べができる。

最終更新日:2015/02/17



小松基地F-15Jの排気口
F-15が小松基地に配備されるとき、小松基地対策協議会が百里基地に配備されていたF-15の騒音を計測。
結果、『F-4EJファントムより静か』ということで、スムーズに導入が決まったようです。



昭和40年〜50年の小松市の時代背景
小松市は戦時中に空襲がなかったため、戦前の家屋がたくさんあった。
バラックのような家屋や、土と板で作ったような簡素な田舎集落の上空に爆音の戦闘機が飛ぶようになる。
冷戦でスクランブルが過去最高を更新している時期でもあり深夜未明にも爆音スクランブルが日常的になっていった。
F-104戦闘機導入により滑走路が延長され、浜佐美町、日末町側に滑走路が延びた。
撚糸工場やコマツとその下請け企業が多数あり、夜勤労働者が多数おり、昼間寝られない。
高度経済成長に向かう途中でまだ所得が低い時代。エアコンが高価で普及しておらず、夏は窓を開けっ放しにしていた時代。
騒音対策がはかどらず、住民は国を相手に小松基地騒音訴訟を起こしたのは無理もないこと。





小松基地周辺町内会、移転実績
年号/昭和
町名
39年
1964
40年
1965
41年
1966
42年
1967
43年
1968
44年
1969
45年
1970
46年
1971
47年
1972
48年
1973
安宅新町
1
1
2
佐美町
7
1
8
浮柳町
6
9
8
8
2
5
8
3
49
鶴ヶ島町
8
5
6
15
13
3
50
浜佐美町
3
3
9
4
21
38
31
5
114
8
9
12
22
18
38
52
40
20
4
113
(『浜佐美町史』引用:名古屋防衛施設局史料)

浜佐美町、鶴ヶ島町、浮柳町が圧倒的に移転数が多いのは、離発着するときに真上を飛行機が通過するからです。
昭和44年〜46年にかけての移転が急増しているのは移転の補償などの法整備、環境が整ったためと思われる。





今江潟、柴山潟は現在埋め立てられて田んぼになっています8.



『小松飛行場対策協議会』
(結成:昭和33年3月17日)

日末町、佐美町、浜佐美町、草野町、浮柳町、鶴ヶ島町、安宅新町、向本折町、松崎町



小松基地周辺の爆音騒音町内会のざっくりとしたイメージ地図です。


小松基地爆音で集団移転した浜佐美町
基地騒音問題で集団移転が行われた日本初の町。
小松基地開設後、滑走路の加賀市側終点付近(ランウェイ06)にあ った浜佐美町が戦闘機の爆音に耐え切れずに、町ぐるみで集団移 転をしました。集団移転補償実施、第一号の町。
2014/07/21 更新!!

小松基地周辺騒音町 浮柳町
滑走路RW24エンドの爆音がよく聞こえる町
この町は小松空港の滑走路エンドRW24がある。
RW06上がりの時は、F-15の排気口がこっちに向いているので爆音 が凄まじい。

小松基地周辺騒音町 草野町
頭上をF-15がコンバット・ブレイクしていく町。
RW06上がりの日は、凄まじい爆音が聞こえる。
小松航空プラザの後ろの町。


小松基地周辺騒音町 佐美町 
滑走路RW06の爆音がよく聞こえる町。
滑走路RW06エンドのある町。
RW24上がり、つまり北に向かって飛ぶときは、凄まじい音がする。

小松基地周辺騒音町 日末町
かつて町民200人が小松基地に抗議の乱入をした最 強の町であり、今は自衛隊官舎のある町。
滑走路に対して真横にある、管制塔が見える。

小松基地周辺騒音町 安宅新町
小松航空プラザ付近から西側。

小松基地周辺騒音町 鶴ヶ島町
小松空港RW24に向かって離着陸してくる飛行機のお 腹が頭上すぐ上に見れる。

小松基地周辺騒音町 松崎町

小松基地周辺騒音町 向本折町




計測器で計る不健康な音量と、耳で聞いて「耳障りな爆音」とでは話は違います。

では、小松市民として「不快で気になる音」を基準とするならば、小松基地から5キロぐらい離れている場所でも感じます。
F15の音が気になって仕方がない、という人と、慣れてしまって気にならな人と個人差があります。

風向きも関係しますし、周囲に家屋が少なく、2階の窓が西向き、つまり小松飛行場方面にある場合は爆音がよく聞こえます。
むしろ小松駅前などの方がマンションやホテル、病院などが防音壁効果となって静かな気がします。
小松駅の高架を通過する特急や貨物電車のガタゴトいう通過音の方がうるさいかもしれません。



小松基地

戦前に農地開発営団によって、砂丘地の松林を伐採して農地にしようと計画されたものが、太平洋戦争の勃発
によって、舞鶴の海軍施設隊の力で飛行場に改められたものである。付近の学徒の勤労奉仕や囚人の使役によっ
て出来上り、終戦時には美保基地から移転して釆た特攻隊神雷部隊の最後の基地ともなっていた。
終戦後は米軍の進駐にともなって米国の基地となり、サンフランシスコ講和条約発効後はわが国に返還されて
民間空港として使用される様になった。航空自衛隊のジェット基地としての使用が計画されると、
地元にも賛否両論がおこり、迂余曲折の末に民間との併用となり、飛行場も大改造されるに至った。
 



終戦直後の小松市地形図

海軍の作った小松飛行場跡に戦後、航空自衛隊小松基地を開設。

小松基地周辺住民の想像を超えたジェット機の爆音や墜落事故などにより、町ぐるみで移転をしたり、防音工事をするなど、
基地周辺住民のそれまでの生活が小松基地の誕生によって180度変わった、ということは事実です。




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