小松の空 〜小松飛行場物語〜

石川県 小松市

小松基地 第303飛行隊が発足した日。(1976年10月26日)


1976年(昭和51年) 10月26日(火曜日)



1976年10月26日 北国新聞朝刊


小松基地にF-4EJファントム、配備

石川県、施設庁へ受け入れ通告
“断る理由がない”午前、16機小松基地へ

石川県は25日午後、防衛施設庁に対して航空自衛隊小松基地へのF-4EJファントム戦闘機一飛行隊(第303飛行隊18機) の配備を認める通告をした。これによりファントムは26日午前中に同基地への配備を完了する見通しである。防衛施設庁 が小松市に対してファントムを昭和50年度第二四半期(7月-9月)に配備したいと申し入れたのは、昭和49年8月30日。
これ以来、2年2ヶ月ぶり、騒音公害差し止め訴訟の提起など根強い反対運動の中で防音工事など環境整備をすすめるた め当初計画より1年余り遅れて配備は実現することになった。注目の竹内伊知小松市長は@防音堤上の植樹が完結して いない。A民家防音28戸が未完成の2点を主な理由に納得できないとの態度を表明。県、関係八市町村との間で見解の 相違が出たが、県はこれらの意見を踏まえて「約束された防音工事は99%まで達成されており、常識的に見て配備を断る 理由がなくなった」と判断した。小松基地は千歳(北海道)、百里(茨木)に次いで三番目のファントム基地になる。

三番目の基地に 要請から2年2ヶ月ぶり
小松基地へのファントム配備の正式通告は同日午前10時半、秋山名古屋防衛施設局長が県庁で杉山副知事に会って行 われた。
秋山局長は、国防上これ以上配備を延ばすわけにはいかないとの防衛庁の立場を説明。防音堤、民家防音工事も約束ど おり達成されたので、26日に配備する予定である。すでにサイレンサー(エンジンテストの消音装置)のテストのために9月 13日に2機、移駐しており、26日は千歳、百里の両基地から16機を配備する、として地元の理解を求めた。
 これを受けた県は同日午後1時過ぎから、県庁に竹内小松市長、小松市議会副議長をはじめ関係八市町村代表を招 集、対応を協議した。
引用元:1976年10月26日 北国新聞朝刊









1976年10月26日 北国新聞夕刊



小松基地、F4EJファントム配備完了
(1976年10月26日)

ファントム16機、相次ぎ着陸。第303飛行隊発足

 防衛庁は四次防の一環として26日午前、航空自衛隊小松基地にF4EJファントム戦闘機18機を配備、同日午後3時、第 303飛行隊が正式発足した。ファントム飛行隊は茨城県百里基地(第301飛行隊)に次いで三番目。防衛施設庁はさる昭 和49年8月30日、小松市と同市議会に対し50年度中にファントム飛行隊を配備したいと申し入れていたが、全国初の基地 騒音公害差し止め訴訟が小松基地周辺住民から提起されるなど、反対運動が激化、防音堤など騒音対策を進めるために 当初予定より一年余り遅れて飛行隊派遣が実現した。

 小松基地に配備されたファントムは、百里基地(10機)、千歳基地(6機)に分散配備されていた16機。
同日午前9時35分、まず百里基地からのファントム4機が編隊を組んで小松基地上空に飛来、旋回して次々に着陸、2機、 4機と相次いで着陸した。
 引き続き千歳基地から4機、2機と、午前10時10分過ぎに無事、16機の空輸が完了した。
9月13日、サイレンサー(消音装置)テストのためすでに移駐している2機と合わせて18機が小松基地エプロン前にズラリと 勢ぞろいした。

 今回のファントム配備は名古屋防空施設局が25日、石川県へ小松基地への配備を26日中にしたいと要望したのに対し、 小松市を除く周辺7市町村と石川県がこれを了承したものだが、配備の条件である民家防音、防音堤がまだ完成していな いと異論を唱えている竹内伊知小松市長の同意を得ぬままの“見切り配備”となった。このため革新政党や労働団体がこ の配備に反対して小松基地前で抗議行動を起こした。

強行配備と受け止める
竹内伊知小松市長の話:
 民家防音、防音堤など防衛施設庁との約束が完全に履行されておらず、この時点での配備は納得できない。小松市とし ては、強行配備としか受け止めざるを得ない。今後は議会や市民の意見を聞き、私なりの対応を検討したい。

杉山栄太郎石川県副知事の話:
 石川県としては関係八市町村とともに環境問題について終始一貫、住民サイドに立って国側にできる限りのものを求めて きた。まだ不満足な面もあるが、いわゆる10.4協定は全国で初めて基地のあり方を示唆した画期的なものと期待してい る。これを国が誠実に守ることが住民の信頼につながると確信している。国は、これからも信頼と期待を裏切らないように 誠実に環境を守ってほしい。




来春からスクランブル体制に

 F4EJファントム戦闘機が26日、小松基地の第六航空団に配備されたのに伴い、第303飛行隊が発足した。
 これまで同基地では第303飛行隊準備室が組織されファントム受け入れ態勢を整えてきたが、坂田防衛庁長官の指令で 即日、正式の部隊に切り替えられた。同基地のF-104J戦闘機20機を核とする第205飛行隊は解散しないので、戦闘能力 は一挙に二倍以上に増強した。2飛行隊はこれまでと同様日本海上を中心に空の防衛に当たる。
 ファントムの第303飛行隊は当面の間は隊員80人。だが、最終的には隊員125人。
 飛行隊本部(事務部門)、飛行班(パイロット)、整備小隊(機体整備)の三部門からなり、パイロットは現在21人。百里、千歳 両基地で平均200時間の飛行訓練を終えており、最終的には機数の約3倍に当たる55人前後のパイロットとなる。
 当面、スクランブルのための飛行訓練と、その上で航空総隊による検定を受ける必要があり、ファントム戦闘機が本格的 にスクランブル体制にはいるのは来春からと見られている。

引用元:1976年10月26日 北国新聞夕刊











1976年10月26日 北国新聞夕刊

記事の見出しに「意外に静かな飛行音」とありますが、現行のF-15Jよりファントム時代の爆音が一番やかましかったようです。






















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