小松の空 〜小松飛行場物語〜

石川県 小松市

小松基地スクランブル用格納庫、耐弾型に全面改造!!


1987(昭和62年) 6月17日(水曜日)

小松基地の初期のスクランブル格納庫は
トタン板で囲っただけの簡素なものでした。



現在の小松基地アラート格納庫

RW24の小松アラート格納庫前に土手が作られたときに、「小松基地の撮影対策だ!」とモラル無き航空ファン
の行動を嘆く航空ファンがいましたが、これらはおそらく防音&防弾堤のはずです。

小松基地周辺に高い土手がたくさんありますが、これはファントム配備のときに小松市が防衛庁に対して配備を
一年間遅らせて防音対策として防音堤を作らせた結果であり、土手=防音の意味合いがあります。

一方、スクランブル機は実弾を積んでいるので、万が一ミサイルが爆発したら機体の誘爆も併せて大惨事になります。
そのまさかのスクランブル機の実弾暴発事故がかつて茨城県の百里基地であり、国会でその対策としての防弾堤などの
設置が小松や千歳、那覇など全国の基地で水平展開されているのか国会参議院(第107回国会(臨時会)で質疑されたこともあります。

最終的には、アラート前の土手は養生を重ねて地盤を固めながら、もっと高くなっていくと思っています。
(参照:百里基地で発生したスクランブル機の実弾ミサイル暴発事故)



2013年度にアラート前に土手が作られました。
(写真右に施設隊の重機が見える)

スクランブル機には真っ白な実弾ミサイルが装備されいます。これで万が一暴発しても、土手があるから安心。
土手の高さは、コマツのPC200(大型掘削機)の運転席やブームが見えないほどの高さです。

小松基地F15の住宅地補助タンク落下事故では二ヶ月間の飛行停止だったので、
ミサイル暴発事故など起こせば、地元住民は半年ぐらいの飛行訓練停止を求めるのは確実。

原発事故や御嶽山噴火のように万が一の信じられない事故はあるものだし、
平静から対策として土手を作って最悪の事態を防ぐのは当然のこと。

小松基地の事故で共用の小松空港は危険だとか小松市のイメージダウンになっては困る!

一部の航空ファンは格納庫内部が見えなくなってガッカリ感一杯のあまり、
格納庫丸見えの写真を掲載するからだ!と怒っていましたが全然関係ない話です。

ちなみに、小松基地では小松空港からの基地施設の写真撮影の規制や自粛を特に求めていないということでした。





北国新聞朝刊 1987(昭和62年) 6月18日(木曜日)



小松基地 アラート格納庫、対空防備へタフな衣替え

耐弾型に全面改良鉄筋でドーム状

 航空自衛隊小松基地のアラート(緊急発進用)格納庫とパイロット待機所が17日までに、これまでのトタンぶきなど簡易構 造から空からの攻撃にも耐えることができるシェルター方式などの耐弾型に全面改良されることになり、大阪防衛施設局が 1988年度末の完成を目指し、工事に着手した。来年度から同基地のスクランブル待機に加わるF-15Jイーグル戦闘機が、 現在の格納庫に入りきらないのを機に整備されるもので、同工事で、これまで兵器装備に重点が置かれ、手薄だった同基 地施設面の拡充整備も、ようやく一歩を踏み出す。

 同基地によると、今年度は総工費6億7千万円をかけ、アラート格納庫2棟と、パイロットや整備士員が24時間体制でスク ランブルに備える待機所一棟が建設される。格納庫の構造は、機密上、詳細は明らかにされていないものの鉄筋コンクリ ート製で一棟の広さは約500平方メートルあり、F-15イーグル一機が完全収容できる。前後の出入り口に鉄製の片開きシ ャッターが付けられ、通常の攻撃を受けても機能するよう全体がドーム状になり、同様の格納庫は全国7ヵ所の戦闘機基 地の中で那覇(沖縄県)、新田原(宮崎県)にある。 
 また、待機所はアラート格納庫と同じく耐弾製を考慮してRC工法を採用、仮眠室やシャワー設備などもある広さ350平方 メートルの平屋建になる。
 1988年度はさらに二棟の格納庫が建設される予定で、完成すればこれまで格納庫二棟に2機ずつ待機の体制から、四 棟の格納庫に4機の体制に変更される。

 現在のアラート格納庫は、同基地が設立された昭和37年に完成、鉄骨にスレートや波状トタンを覆っただけの簡易構造 で、老巧化も激しく関係者の間で「攻撃を受ければひとたまりもない」と指摘されていた。
 同整備で同基地関係者は「仮に攻撃を受けた場合、航空自衛隊は陸上や海上と違い、基地内の施設確保が絶対に必要 であり、今度の改造でやっと施設整備の一歩を踏み出した」と話している。
 小松基地には各18機の戦闘機を擁する第303と第306の二飛行隊があり、このうち第303飛行隊は、昭和62年度までにF- 4EJファントムが順次F-15Jイーグルに機首変更される計画で現在、F-15Jイーグル8機がすでに配備されている。このため 同基地からのスクランブルは、主に第306飛行隊のF-4ファントム機があたっている。

引用元:北国新聞朝刊 1987(昭和62年) 6月18日(木曜日)







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