北国新聞夕刊 1990年(平成2年) 1月26日(金曜日)
小松基地 F15イーグル機 突然暴走
格納庫に突っ込む 始動点検中に けが人なし
26日午前9時56分ごろ、航空自衛隊小松基地の駐機場でエンジン始動点検を行っていた第303飛行隊所属のF-15イーグ
ル戦闘機が、整備員一人を乗せたまま突然動き出し、約200m離れた小松救難隊格納庫外壁に衝突、機首が外壁を突
き破って止まった。整備員らにけがはなかったものの、同機の機首部分が破損した。
消火液かけ一時緊迫
整備員3人が通常整備を行ったあと、整備員の一人が機体に乗り込み、テストのためエンジンを始動させたところ機体が動
き出した。当時、駐機場一帯は路面がアイスバーンに近い状態となっていた。鉄骨トタン張りの格納庫は窓ガラスが壊れ、
同基地の消防車が出て、機体に化学消火液をかけるなどした緊迫した雰囲気に包まれた。エンジン始動点検は静止した
状態で行われる。同基地ではなぜ同機が動き出し、200m近い距離を走ったのかなど詳しい原因を調査している。
同基地では、昨年11月21日、F-4EJファントムが離陸に失敗、滑走路わきの草むらに突っ込む事故が起きている。
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